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回復

はやる気持ちを抑えて、午後の面会時間になってすぐ病棟に行った。
夫はICUから一般病棟に移されたと聞いたので。
術後の経過がよかったんだ、と安心。
病室を覗くと、夫はいびきをかいて寝ていた。
いつもはうるさいなあ、と不愉快になるいびきも、今日はなんだかいとおしい(笑)
生きてるんだ、とまたまた安心。

しばらく夫のそばでじっと過ごす。
着替えやタオルなども持ってきたが、必要ないみたい。
まだまだ夫は手を借りなければ動けない。
看護士さんが、様子を見に来る。
点滴を取り替えたりしても、夫は起きない。麻酔のせいだという。

私と看護士さんが話しているので、夫はうっすら目を開けた。
熱も下がって、汗をたくさんかいている。
看護士さんが、傷の消毒と清拭をかねて着替えさせてくれる。
私はすることがない。
ちょっぴりさみしいような、ありがたいような。

待合室で待っていると、夫が私の名前を呼ぶ声が後ろからした。
夫が看護士さんに支えられて歩いている。
よたよたと、でもまっすぐと。

「大丈夫!?起きたの?痛くないの?」

「午前中は熱もあったし、痛みも強くて、寝返りもできなかったんですよ。別人のようですね。」

看護士さんが教えてくれる。

「歩いたほうが、内臓の運動にもなっていいんですよ。今は全身麻酔の影響で胃も腸も運動がとまってるんです。痛みがなければどんどん歩いてくださいね。」

病室の前を行ったり来たり。
病室の戻ると、さすがの夫もぐったりだ。

「疲れた・・・」

少し歩くのもリハビリが必要なようだ。すっかり体重が落ち、脚も細くなり、ほほもやつれてしまった。
ふくよかな?夫はどこへやら(笑)

主治医の先生が見えて、

「歩けるなら大丈夫ですね。この調子で水も飲んでもいいですよ。」

「飲めるんですか!?」

夫はびっくり。

「飲めますよ。食べれますし。でも何週間か絶食だったので、水物から進めましょう。胃がびっくりしますから。胃を取ったわけではないので、口から入れることになれるようにすれば、入院中でも食べれますよ。」

嬉しいなあ、夫は嬉々としてベッドで笑った。
よかったわねえ、と私も言うと、

「ああ、とっても紅茶が飲みたいんだ。」

「そうなの?嗜好品だからよくないんじゃあ?」

「でも紅茶が飲みたい。ずっと飲みたいと思ってた。」

じゃあ、退院したらお入れしましょうね、というと夫は喜んだ。
安心してすやすや眠る夫にさよならして、今日は早めに家路に着いた。
 

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