軽井沢に着きました
「高原の優雅なティータイム」
ところが。
その他大勢を引率する身、簡単に目的地には着きません。
車に酔う子、小競り合いする子、夫とカーラジオの選曲を争う子・・・・
寄り道しながら軽井沢タリアセンに。
塩沢湖畔でペイネ美術館と朝吹登水子さんの別邸を見たら、雲場池にいくつもりだったのに・・・
こどもたちを野放したのがまずかった。
テニスにパターゴルフ、アーチェリーやボート漕ぎに興じる息子たち。
ちっとも親の元に寄り付きません。
木立に囲まれたフレンチレストランも、軽井沢のおいしいお水で抽出した紅茶もコーヒーも、子どもたちの楽しそうなはしゃぎ声にあきらめざるを得ませんでした。
こうなったら私もほぼ18年ぶりにテニスラケットを握ります。
子どもを相手に優しくラケットを振っていた夫も、私には手抜きなし。
もちろん昔のように軽やかにボールを追いかけることはできませんでしたが、日ごろの憂さ晴らしか、お互い思い切りラケットを振り回しました。
テニスのあとは湖畔をゆっくり歩き、朝吹邸へ。
フランスで買ってきたというカーテンがとても印象的。
リネンのようです。
夫婦ふたりでのんびりしているところに、子どもたちがちょこちょこ遊ぶお金をせびりに来ます。
「タリアセン・・っていくらお金があっても足りやせん。」
夫のつまんない冗談が無性におかしくって。
そんな夫とボートに乗って、ひんやりとした心地いい風とまだ強い日差しを浴びながら軽井沢の午後をゆらゆらと過ごしました。
いつでもスタンバイ
って聞かれて、
「ティーハウス」
と答えた私。
「どこの?」
「イギリス」
「日本だよ?」
「軽井沢」
「じゃあ行こう、軽井沢。」
?!
さあ大変!いつだってどこでも出かける準備はできてるつもりだけど、とっても予想外。
「どこ泊まりたい?」
「万平ホテル」
夫の問いにすらすら答える私。
笑いながら予約の電話をする夫。
残念ながら万平ホテルはとれなかったけど、小諸の旅館がとれました。
上田も行きたい、真田太平記の舞台・・・
「ティーハウスじゃなかったの?」
いいのいいの、私の頭の中はいつだって行きたいところだらけ。
千曲川の詞を口ずさむ。
島崎藤村、母校の校歌を作詞したことを思い出した。肝心の歌は全く思い出せず・・・
明日の準備、ほこりをかぶったトランクを出しました。
好みの茶葉は
今日はミチルの誕生日。
我が家の三男、13歳になりました。
ちょうどいいタイミングでお友達からチーズケーキが届き、みんなでお祝いを。
チーズケーキならコーヒーがいいのかなあと思いながら、レアチーズだったので、ネパールのファーストフラッシュの水出しにしました。
よーく冷やしたチーズケーキに、冷たいファーストフラッシュ。
美味。
主役のミチルは、このファーストフラッシュがとてもお気に召したようで、昨日今日、ネパールの水出しを何度もリクエストされました。
「お茶(我が家では紅茶のこと)はなにがいい?」
「ネパール」
「ケニア」
「キャッスルトン」
「ヌワラ」
「ディンブラかキャンディ」
我が家の子どもたちにも、好みがそれぞれあるようです。
イレヴンジィズ
久しぶりにいいお天気でしたね。
ちょっと頑張ってお洗濯やお掃除などをせっせとしたので、午前中にティーブレイク。
家事や仕事の合間にちょっと気分転換にいただく紅茶のことを
「イレヴンジィズ」
といいます。
午前11時ごろいただく紅茶のことですね。
イギリスでは会社などにお茶の支度をしてくれる「tea lady」がいるところもあるとか。
ワゴンでお茶のサービスをしてくれるそうです。
仕事の合間なので、15分ほどでささっと済ますらしいのですが、なんともうらやましいサービスです。
私もお昼の支度があるので、いつまでもゆっくりしているわけではないのですが、お気に入りのティーカップでいただきました。
イギリスのヴィンテージです。
白いユリの花が描かれています。
白いユリはキリスト教では純潔をあらわす花。
このカップとプレートに描かれているユリはたぶんヤマユリ。
きれいだな。
朝の慌ただしい時間にほっとひといき。
ちょっとしたことで一日がもっと楽しくなる工夫、いつも心がけたいです。
テンプレート変えました
ちびくろさんぼ
紅茶の話題より、ハンドメイドが多いです、このブログ・・・
今日は久しぶりに絵本の話題です。
この絵本はオリジナルではないそうですが、娘に頼まれて買いました。
ヘレンは官僚だった夫の赴任先のインドで過ごしていたのですが、子供たちとは離れて暮らさなければなりませんでした。
愛するわが子にイラストつきで送った絵本が「ちびくろさんぼ」(little black sambo)なのです。
その後、その絵本をたまたま読んだ知人によって、イギリスで出版されることになり、ベストセラーになります。
ところが版元が版権を確立していなかったために、海賊版が出回り、誇張されるような表現や挿絵で物議をかもし出すことになるのです。
フランクの誇張した原色の挿絵が、インド人にしてはサンボは色が黒すぎるとか、サンボがアフリカでは差別用語に当たるとか、いろいろあったようですが、日本では言論の自由を憲法で護っているので、自主的に出版を自粛していたようです。
真実が明らかにされ、世の中も平和になってきたのか、こうやってまた出会えるようになりました。
ちなみにヘレンのオリジナルの挿絵はこちらです。
可愛くはないかも(笑)
このお話は小さい頃から大好きですが、へレンの子供たちがいたのはインドの避暑地らしいのですよ。
ヘレンの書いた手紙やお話は、鉄道によって運ばれます。
これってひょっとしてダージリン鉄道じゃないのかしら。
当時植民地にしていたイギリスが、インドに鉄道を敷いたんです、紅茶の運送のために。
背景を知れば知るほどご縁の深い絵本であることをしみじみ感じた店主です。